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【コラム】パワハラ案件への対処は「柔軟に」

2024/10/23
姫路市内にあるプラスチック加工製品製造会社のオペレーターTさんから6月25日に労働相談があった。相談の内容は、従業員間のトラブル(窃盗被害)により警察に通報したことを会社にとがめられて書面による注意を受けたことに納得がいかず、また上司からの度重なるパワハラを改めて欲しいと思い社内通報したが改善されなかったというもので、Tさんはユニオンへ加入すると同時に会社へ団体交渉を申入れた。

7月31日に行った団体交渉には東京本社から役員及び総務部長の出席があり、姫路工場の総務課長と工場長も同席した。交渉でのやり取りの中でTさんは、パワハラ被害を受けた事実について会社側に認めるよう追及したが、役員・総務部長だけでなく、総務課長・工場長も「そういった事実は、初めて知った」とうそぶく始末で、認めようとしなかった。姫路工場に勤務する総務課長・工場長がこのような態度をとったことにTさんは呆れ果て、事実認定をめぐって交渉は暗礁に乗り上げるかのように思われた。

この局面で、ユニオンの方から「事実認定をめぐって双方の主張に隔たりが認められるが、少なくともパワハラが疑われる事象が姫路工場で認められたと私たちは認識している。会社として、今後の問題としてパワハラ防止法に則ってハラスメントの有無を調査し、必要な措置をとることを求める」と通告した。会社側はユニオンからの提案を受入れ、今後パワハラが疑われる事象が生じないよう対処する、といった回答が示された。

会社がTさんに対し行った書面による注意に関しては、事実誤認が認められる点についてユニオンから追及したものの会社側は認めず、話合いは平行線となった。やむを得ず、「組合員Tが書面に記載のある内容を受け入れても不利益となる扱いをしないこと」を確認し、Tさんの了解を得て交渉に区切りをつけることとした。(細川雅弘)

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