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【コラム】労災適用と職場復帰へたたかう

2019/08/27
相生市にある石川島播磨重工業の関連会社でクレーンオペレーターとして勤務するAさんから相談を受けたのは、今年1月のことだった。
Aさんは会社から「1週間だけ他の職場に応援に行ってくれ」と配置転換を言い渡され、これに応じたが、応援先は重労働で、かつ忙しい職場であった。「これでは身体がもたない」と感じた彼は元職場への復帰を申し出たが聞き入れられず、1週間だけだった約束は「とりあえず1か月」、「3月まで」と延長されていった。そのうちに彼は足を痛めて「アキレス腱周辺炎」に罹り、休職を余儀なくされた。

Aさんの加入を受けて姫路ユニオンは、傷病の労災適用と職場環境の改善を求めてこれまで団体交渉を2回実施した。
ユニオンは「クレーン職場の指導員Bから受けたパワハラが職場復帰の妨げになっている。Bとの接触が生じないかたちでの復帰を求める」と主張したが、会社側が認めなかったことから交渉は決裂した。配置転換以降、会社から受け続けた仕打ちが原因となってAさんは「うつ病」と診断された。職場におけるハラスメントが原因で精神を病んだことを会社に認めさせ、元職場への復帰を求めて近々提訴することを現在、準備している。

Aさんの訴えに対する会社の態度は、誠実さの欠片も感じられなかった。その背景には、職場におけるBの存在が絶対的なもので、会社の上司・管理職もBに対してモノが言えない、まるで何か弱みを握られているような印象を受けた。

他方、Aさんはこれまでの間、相生労働基準監督署を何度か訪れて問題解決を訴えていたのだが、監督官の対応たるや、「労災隠し」を会社にアドバイスするかのような対応も見られた。

姫路ユニオンは、このような「会社の理不尽な対応」「労働基準監督官の言動」を絶対に許すことはできない。Aさんの労災適用、ならびに元職場への復帰を勝ち取るまで精一杯闘い抜く。(細川雅弘)

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