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【コラム】ブラック企業の解雇に裁判で対決

2019/03/26
昨年10月、姫路市飾磨区のカットハウスに勤務するFさんから、「残業が日常的で、有給休暇も取れないので文句を言うと、気に入らないのなら辞めろと言われる」といった相談を受けた。その後、彼女は姫路ユニオンに加入、年休取得などの権利行使を主張し始めたところ、突然解雇を言い渡された。

11月末に行った団体交渉には、会社側からの参加は代理人弁護士一人のみであった。ユニオンが解雇理由を質したところ、「客からクレームがあったため」といった理由が弁護士から示されたが、「そんなことくらいでは解雇理由にならない」と私たちは反論した。客観的で合理的な理由を具体的に示すよう告げ、併せて未払い時間外手当の支給等を求めてその日の交渉を終えた。

後日、弁護士から示された解雇理由は、「客の要望より髪を短く切りすぎたことによりクレームがあった」「勤務時間中にたびたびスマホを使用していた」「勤務時間中にたびたび飴をなめていた」といった内容が羅列されていた。まったくもって解雇理由たり得ない中身でしかなく、取ってつけたような理由であった。

解雇撤回を求めて再交渉の設定を要求したが、会社側はFさんの退職を前提とした金銭解決を申し出たため交渉は決裂、Fさんは昨年末を以て解雇された。 「お金の問題ではなく、あくまで職場復帰と店長からの謝罪を求めたい」として、Fさんは法廷の場で争うことを決意した。

彼女のように雇入れの際に提示のあった労働条件とはかけ離れた無権利状態で働かされている労働者からの相談が後を絶たない。被告であるカットハウスの店長は団体交渉に姿を見せず、対応を弁護士に一任しているが、こういったブラック企業経営者には労働者を雇用する資格が無いことを知らしめる必要があるものと考える。(細川雅弘)

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