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【コラム】職場での分会発足が急務だと痛感

2018/01/23
昨年8月15日付本欄で紹介した、A病院に勤務していたKさんの不当解雇撤回闘争に関する続報である。6月27日に退職勧奨を受け、就業規則違反で同月30日付で解雇されたKさんの解雇撤回を求めて行った2度の団体交渉では、「組織に対する批判を就業中に同僚等に言いふらし、周囲の勤労意欲を引下げる等、誠実勤務とはおよそ言い難い態度であったため」とされた解雇の根拠に関する事実の存否が争点となった。

ユニオンは、Kさんが「組織に対する批判を就業中に同僚等に言いふらした」事実は無いと主張し、病院側に対し「同僚等」からの証言を直接聞かせよ、と求めた。病院側が交渉の場に連れてきた同じ課の同僚2人からは、「組織の方針に反するような行動を取るよう指示を受けたことは無い」といった証言が得られ、事務長の誤認であったことが判明した。

病院側が代理人として弁護士を同席させた第3回交渉でも、解雇の根拠とする事実を私たちはすべて否認し、法廷で争う姿勢を見せた。交渉後、弁護士を通じて金銭による和解を求められ、熟慮の結果、これに応じることとした。

KさんがA病院を去ることとなり、11月25日に彼の送別会を姫路市内の居酒屋で行った。席上、Kさんから「一方的なかたちで解雇を通告され、姫路ユニオンに加入して団体交渉を重ねた結果、職場復帰を果たすことはできなかったが、納得がいく水準での解決を迎えることができた」旨の説明を行い、同僚たちは一様に驚くとともに病院のやり方に憤りを感じた。また、参加者からサプライズで心のこもった記念品が贈られ、Kさんが感極まって言葉を失うといった感動的な場面に私たちも立ち会うことができた。

Kさんが去ったA病院では経営側が我が物顔で職場支配しているという話も聞いた。ユニオンの旗を立て、職場に分会を発足させることが急務だ。(細川雅弘)

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