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【コラム】外国人労働者からの相談に寄り添う

2025/09/10

今年1月、ある外国人労働者から相談があった。相談者は70代男性、機械部品メーカーのオペレーターで、30年以上を日本で過ごし日常会話に困らない程度の日本語を話すことのできる人だった。

相談内容は、雇用契約が2月20日に満了することから雇止めを心配するものだった。面談後、会社経営者に対し電話で相談内容を伝え21日以降の雇用継続について確認できたため、問題は解決したものと思われた。

同月末、再度相談者から「業務量減により、社長から自宅待機を命じられた」といった連絡があった。改めて経営者に連絡し、会社都合のため休業手当を支給することを求め、了とする旨の回答を得たので相談者に伝えた。

三度目の電話連絡を受け、二度目の面談を行った。見せてもらった雇用契約書には時給が1400円から1060円に下げられており、5月20日契約満了後の更新が無い旨の記載があったため、説明を求めるべく交渉を申入れた。

第1回交渉で示された回答は①時給を元に戻す、②雇用継続に関しては会社業績の悪化・組合員が高齢であることから難しい、③当面(一か月間)雇用を延長し次回交渉で就業規則や業績状態等の資料を提出する、といったものであった。第2回交渉でも会社側姿勢は変わらず、業績が悪いため雇用の継続はできないとし、退職に応じるのであれば解決金を支払う、との考えが示された。

第3回交渉の前に会社側から、①当該組合員は7月20日を以て退職する、②雇用問題の解決金として会社は〇〇〇円を支払う、等を内容とする合意書(案)が示され、私たちは通訳を介して組合員に内容を理解してもらえるよう努めた。雇用の継続を希望していた彼であったが、雇用継続が難しいことを理解し最終的に合意に至った。交渉を終えるにあたり、本人が離職票並びに在職期間証明書の発行を求め、会社が了解したため、合意書を取り交わすこととした。(細川雅弘)


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